Webサイトへの攻撃が巧妙化する中、WAF(Web Application Firewall)の導入は企業にとって必須の課題です。CloudflareのWAFは、世界中のトラフィックをリアルタイムで分析し、最新の脅威からサイトを保護します。
1. Cloudflare WAFとは
Cloudflare WAFは、Webサイトへの通信をエッジ(ユーザーに最も近い拠点)で検査し、不正なリクエストを遮断するクラウド型セキュリティサービスです。オリジンサーバーに負荷をかけることなく、SQLインジェクションやXSSなどの攻撃を未然に防ぎます。
2. 防御の核となる「3つのルールセット」
Cloudflare WAFの強みは、用途に合わせた強力なルールセットを多層的に適用できる点にあります。

①Cloudflare の漏洩した認証情報の確認
ダークウェブ等ですでに流出している「ID・パスワードのリスト」をデータベース化し、ログイン試行を照合する機能です。
- 役割: 他サイトから流出した情報を悪用する「リスト型攻撃」を阻止します。
- 特徴: ユーザーがパスワードを使い回している場合、ログイン時に検知し、多要素認証を要求したりアクセスをブロックしたりすることが可能です。
② Cloudflare 管理ルールセット(マネージドルールセット)
Cloudflareのセキュリティチームが、独自に収集した最新の脅威情報に基づいて作成・運用するルールです。
- 役割: SQLインジェクション、XSS、コマンドインジェクション、CNSなどの脆弱性に対応したWordPress等のCMS特有の脆弱性や、最新のゼロデイ攻撃への迅速な対応を担います。
- 特徴: 新たな脅威が見つかると、数時間以内に自動でルールが更新されます。管理者がパッチを当てるまでの「タイムラグ」を埋める、仮想パッチとしての役割を果たします。
③ Cloudflare OWASP コア ルールセット
OWASP(Open Web Application Security Project)が定義する「Webアプリケーションの重大なリスク10選」に基づいたルールです。
- 役割: 業界標準の脆弱性対策を網羅する、Webセキュリティの「基礎」です。
- 特徴: スコアリングベースの検知を採用。不審な挙動の積み重ねによってブロックを判断するため、誤検知を抑えつつ高い防御力を発揮します。
3. 運用上の最重要ポイント:ルールの柔軟な「除外」設定
WAFを運用する際、「正規の通信(API連携や特定の管理操作)が攻撃と判定されてブロックされてしまう(誤検知)」という課題が必ず発生します。Cloudflare WAFでは、これらを柔軟に回避する設定が可能です。
- 特定ルールの無効化(スキップ): 「WAF全体は有効にするが、特定のパス(/api/special/など)に対して、特定のルールID(SQLインジェクション検知など)だけを適用しない」といったピンポイントな除外設定が可能です。
- 例外条件の作成: 信頼できる拠点のIPアドレスや、特定のユーザーエージェントを条件に「WAFをバイパス(通過)させる」設定もGUIから即座に行えます。
関連記事はこちら:Cloudflare WAF カスタムルールの徹底解説:メリット・アクション・設定例まで
運用のコツ: 最初は「シミュレーション(ログのみ記録)」モードで運用し、どのルールが誤検知を起こすかを確認してから「ブロック」へ移行することで、正規ユーザーへの影響を最小限に抑えられます。
4. 導入のメリット
- 運用の自動化: クラウド側でルールが常に最新に保たれるため、管理負担が大幅に軽減されます。
- パフォーマンス維持: 世界中に分散されたエッジで処理を行うため、サイトの表示速度を損なわない高速なセキュリティを実現します。
- 即時導入: DNSを切り替えるだけで、数分後には世界最高峰の防御壁が構築されます。
まとめ
Cloudflare WAFは、OWASPルール、管理ルール、漏洩認証情報確認という3つの柱に加え、柔軟な除外設定により、ビジネスの利便性と強固なセキュリティを両立させます。
「セキュリティは強化したいが、サイトの挙動に影響が出るのが怖い」という懸念も、Cloudflareの柔軟な運用設定があれば解決可能です。
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