社内リソースや開発環境へのアクセス制限において、従来は「Basic認証」や「VPN」が多く採用されてきました。しかし、現代のサイバー脅威や働き方の多様化に伴い、パスワード管理の脆弱性や運用の煩雑さ、ネットワークパフォーマンスの低下といった課題が顕在化しています。
これらの課題を解決し、「ゼロトラスト(何も信頼しない)」の概念に基づく高度なセキュリティを実現するのが「Cloudflare Access」です。本記事では、Cloudflare Accessの主要機能と、従来の方式と比較した際の優位性について解説いたします。
1.Cloudflare Accessの機能概要
Cloudflare Access(Cloudflare Zero Trustの一部)は、アプリケーションの前面で認証を代行するクラウド型ソリューションです。ユーザーがリソースにアクセスを試みた際、Cloudflareのネットワークが「本人確認」と「デバイスの安全性」を検証し、認可された通信のみをオリジンサーバーへ転送します。
VPNレスでのリモートアクセス: ブラウザベースで動作するため、VPNクライアントの導入や管理が不要です。
IDプロバイダー(IdP)との連携: 既存の認証基盤をそのまま利用でき、ログインプロセスを簡略化します。
既存インフラへの後付けが可能: サーバー構成を変更せず、短期間でセキュアなゲートウェイを構築できます。
2.Basic認証に対する技術的・運用の優位性
多くのWebサイトで利用されるBasic認証と比較すると、Cloudflare Accessは以下の点で圧倒的な優位性を有しています。
| 比較項目 | Basic認証 | Cloudflare Access |
|---|---|---|
| 認証基盤 | 個別のID/パスワード | Google Workspace, Microsoft Entra ID 等 |
| セキュリティ | 脆弱(漏洩リスク大) | 多要素認証(MFA)に対応 |
| ガバナンス | 一元管理が困難 | 入退社に伴う権限変更を即時反映可能 |
| 利便性 | 都度の入力が必要 | シングルサインオン(SSO)による快適な操作 |
① 既存のIDプロバイダーとの連携による利便性向上
Basic認証の大きな課題は、サービスごとに個別のパスワードを発行・管理しなければならない点にあります。これに対し、Cloudflare Accessは貴社ですでに導入されているGoogle WorkspaceやMicrosoft Entra ID(Azure AD)等の認証基盤をそのまま利用することが可能です。

ユーザーは使い慣れたビジネスアカウントを選択するだけでログインでき、管理者側も「退職者のアカウントをIDプロバイダー側で停止するだけで、すべてのアクセス権を即時失効させる」といった高度な統制が可能になります。
② サーバー露出リスクの低減
Cloudflareのネットワークを介して認証を行うことで、Webサーバーをインターネット上に直接公開(ポート開放)する必要がなくなります。これにより、認証前の不正なアクセス試行やDDoS攻撃をネットワークの入り口で遮断でき、サーバーそのものの存在を外部から隠蔽する「ダークネット」化も実現可能です。
③ 詳細な監査ログの自動取得
Basic認証では困難だった「誰が・いつ・どのリソースにアクセスしたか」というログが、Cloudflare側で自動的に記録されます。万が一のセキュリティインシデント発生時の追跡はもちろん、社内のコンプライアンス遵守状況の可視化にも大きく貢献します。

3. 企業の課題解決に寄与する主な活用事例
Cloudflare Accessは、特に以下のようなニーズを持つ方に選ばれています。
開発・ステージング環境の厳格な保護: パスワードの使い回しを防ぎ、関係者のみに確実にアクセスを限定します。
社内システムのSaaS化(セキュア公開): VPNの帯域不足や接続不安定を解消し、業務効率を改善します。
外部パートナーへの一時的な権限付与: 期間や条件を限定して、安全に内部リソースを公開できます。
4. まとめ:管理の手間を減らして、安全を手に入れる
Basic認証やVPNによる「境界型」の防御には限界があり、管理負荷の増大やセキュリティリスクを招く要因となっています。Cloudflare Accessを導入することで、管理者には強力な統制を、ユーザーにはストレスのないアクセス環境を、低コストで提供することが可能になります。
Cloudflare Accessを導入することで、管理者には強力な統制を、ユーザーにはストレスのないアクセス環境を提供することが可能になります。無料プランの範囲内(最大50ユーザーまで)であっても、詳細なアクセス状況の確認・管理が行えるため、コストパフォーマンスを重視しながら次世代のセキュリティ基盤へとスムーズに移行できます。
次世代のセキュリティ基盤への移行は、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させる重要な一歩となります。
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