Webページの表示スピードを高速化するクラウドサービス「クラウドフレア」を活用すると、ECサイトのSEOにどのような効果があるのでしょうか。
今回紹介する成功事例は、ECサイトとオウンドメディアにクラウドフレアを導入し、SEO効果を上げたリンベル株式会社の取り組みです。
クラウドフレアを導入した結果、ECサイトのページの読み込み時間が25%短縮するなど表示スピードの改善に成功。SEOにも効果があり、オーガニック流入の増加につながりました。
リンベル様はクラウドフレアをどのように活用し、ECサイトのSEOを強化したのか、その取り組みの一端をご覧ください。

EC売上高は会社全体の約10%に拡大
株式会社ドーモ 康 泰景(以下、康):本日は、リンベル様がECサイトにクラウドフレアを導入してくださった経緯や、導入後の成果についてお話をお聞かせください。本題に入る前に、まずは貴社の事業概要やECの取り組みについて教えていただけますか?
リンベル株式会社 大川 和弘 様(以下、大川様):弊社は主にカタログギフトの企画・制作・販売を手がけています。結婚式の引き出物など返礼品としてご利用いただいているほか、母の日や父の日、新築祝い、長寿の祝いといった慶事の贈り物としてもご購入いただいています。
現在取り扱っているカタログの種類は、価格帯や用途に応じて約300種類。結婚式場や百貨店、郵便局、GMS(総合スーパー)、ECサイトなどで販売しています。食品や雑貨、家具といったモノだけでなく、レストラン、旅行、エステ、観劇といった“体験”がテーマのカタログも人気です。
康:EC事業も好調だとうかがいました。
大川様:おかげさまでECも着実に伸びています。EC部門の売上高は、会社全体の約12%に拡大しました。
リンベル公式オンラインストア「RING BELL」では各種カタログギフトや、カタログギフトに掲載している商品など約4000品目を販売しています。「結婚式」「出産内祝い」「母の日」「父の日」「長寿祝い」といった用途ごとに特集ページを作り、お客さまが商品を探しやすいお店づくりを心がけてきました。「食べて応援!北海道からの福音」といった地域にフォーカスした特集や、「おうちごはん」のようなライフスタイル軸の特集にも力を注いでいます。

コンテンツSEOを強化するため「クラウドフレア」を導入
康:2022年1月に公式オンラインショップ「RING BELL」と、そのサブドメインで運営している2つのオウンドメディアにクラウドフレアを導入してくださいました。導入の経緯を、あらためてお聞かせいただけますか?
大川様:クラウドフレアを導入した理由は、ECサイトおよびオウンドメディアのSEOを強化するためです。
SEOの施策は多岐にわたりますが、ページの表示スピードを高速化することも重要です。情報の網羅性、コンテンツの独自性、内容の信頼性、ECサイトの構造化データ、リンク対策など、さまざまなSEOの施策に取り組む中で、表示スピード対策としてクラウドフレアを導入しました。
康:SEOの取り組みについて、具体的にお聞かせいただけますか?
大川様:前提として、弊社はECサイトの集客において、コンテンツマーケティングを重視しています。
消費者が返礼品やギフトを探すとき、検索エンジンを使うケースは少なくありません。その検索ニーズを取りこぼさないためにはコンテンツSEOが不可欠です。
「カタログギフト」といったビッグワードの対策はもちろんのこと、ギフトを探す消費者が検索で使うキーワードや、ギフトにまつわるお悩み系のキーワードも対策しています。
コンテンツSEOの具体的な取り組みとしては、ECサイトのコンテンツを拡充しているほか、「ギフトコンシェルジュ」と「リンベルお役立ちギフトメディア」というオウンドメディアを運営し、キーワード検索の受け皿となるコンテンツを作ってオーガニック流入を増やしています。
ギフトにまつわるさまざまな情報を発信している「ギフトコンシェルジュ」では、香典返しのマナー、内祝いの選び方、贈り物の相場、メッセージの書き方、のしの知識などの解説記事を掲載し、検索エンジンからのオーガニック流入を獲得しています。2014年から毎週1本以上のペースで記事をアップしており、記事数は累計800本を超えました。現在のアクセス数は年間約1000万UUです。
「リンベルお役立ちギフトメディア」は、ギフトニーズが顕在化している消費者をターゲットにしたオウンドメディアです。「還暦祝いにおすすめのギフト21選」といった商品寄りの記事を掲載し、記事で紹介した商品の購入ページのリンクを貼って公式オンラインショップへと集客しています。アクセス数は年間数十万UUですが、コンバージョン率は「ギフトコンシェルジュ」よりも圧倒的に高いです。

康:そういったコンテンツSEOを強化する上で、Webサイトの表示スピードの改善が必要だったと。
大川様:おっしゃる通りです。
クラウドフレアを導入する以前から、Googleが提供している表示速度計測ツール「Page Speed Insight」の点数を確認しながら、画像の圧縮やJavaScriptの見直しといった施策を行ってきました。
ECサイトの表示スピードが遅かったわけではありませんが、Googleが2021年にコアウェブバイタルを公表し、表示スピードの重要性が一層高まったことをきっかけに、さらなるスピードアップを図るためにクラウドフレアの導入を決めました。
【キーワード解説】
SEO(検索エンジン最適化):GoogleやYahoo!などの検索エンジンにおいて、狙ったキーワードの検索結果の上位に自社のWebページが表示されるように対策すること。Webページの表示スピードはSEOの重要な要素の1つと言われおり、SEOを強化する目的でクラウドフレアを導入するECサイトも増えている。なお、Googleは優れた検索体験の基準として「コアウェブバイタル」を公表し、ページの表示スピードの重要性をアナウンスしている。
クラウドフレア導入の決め手は「費用対効果」の高さ
康:Webページの表示速度を改善するツールはクラウドフレアの他にもありますが、クラウドフレアを選んでくださった決め手はどのような点だったのでしょうか。
大川様:一言で表現するなら、費用対効果がもっとも優れていると感じたからです。
表示スピードの改善効果が高く、料金は手頃で、運用の手間もかからない。また、クラウドフレアはドメインごとの契約なので、サブドメインで運営しているオウンドメディアも1つのライセンスでカバーすることができます。
しかも、クラウドフレアはWAF(Web Application Firewall)が標準搭載されているなどセキュリティ対策にも強いですよね。以前はWAF を単体で導入していましたが、クラウドフレアを導入したことで一本化することができました。
このように、機能・手間・コストのバランスが優れたツールだと感じたのでクラウドフレアを選びました。
康:クラウドフレアの機能について、具体的にどのようなところにメリットを感じていますか?
大川様:例えば、ドメインおよびサブドメインで運用しているサイトのすべてのページについて、運用の手間をかけずに、一括で表示速度を改善できることは大きなメリットです。
ECサイトとオウンドメディアを合わせると、対策すべきページは数万ページに及びます。ページ数がこれだけ多いと、表示速度を改善するために画像を処理したくても、手作業ではとても対応しきれません。
大規模サイトを運営している企業にとって、ページを一括で高速化できるクラウドフレアはとても便利だと思います。

表示スピードが向上してSEO効果を実感
康:クラウドフレアを導入したことで、表示スピードはどの程度改善しましたか?また、それによってSEOにどのような効果があったのでしょうか。
大川様:ECサイトやオウンドメディアの表示スピードは総じて上がりました。
例えば、ECサイトのトップページは、描写開始までの秒数が25%短くなったほか、サーバの反応速度やファーストビューの表示完了までの秒数も、それぞれ13〜14%ほど短縮できました。コアウェブバイタルの指標であるLCP(最大コンテンツが表示されるまでの時間)も18%短くなりました。
クラウドフレアを導入する時点で、すでにそれなりの表示スピードが出ていましたから、正直に言うとクラウドフレアの効果について半信半疑だったんです。
でも、実際に導入してみると表示スピードが明確に改善しました。乾いた雑巾を絞るような状況でも効果が出たことに驚きました。
康:SEOへの効果は、いかがでしょうか?
大川様:SEOへの効果も出ていると思います。
例えは、重要キーワードの1つである「カタログギフト」の検索結果では、公式オンラインショップ「RING BELL」が1位をキープしています。クラウドフレアを導入する以前は一時的に2位以下に落ちることもあったのですが、それがなくなったのは大きな成果です。
「ギフトコンシェルジュ」や「リンベルお役立ちギフトメディア」のページも、狙ったキーワードで上位表示されるようになり、オーガニック流入数も着実に増えています。
検索結果の順位はさまざまな要素が影響するため、一概に評価するのは難しいのですが、クラウドフレアがSEOを支えてくれているのは間違いありません。

手厚いサポートでスムーズに導入
康:せっかくインタビューの機会をいただきましたので、株式会社ドーモのサービスやサポート体制についても、率直なご意見をぜひお聞かせください。
大川様:手厚くサポートしていただけるので、とても助かっています。例えば、トライアル導入の際、ECサイトに実装している外部ツールとの連携でエラーが発生したこともありましたが、ドーモさんがサポートしてくださったので大きな問題もなく導入を進めることができました。
クラウドフレアは新機能が随時追加されていくので、最新情報にキャッチアップするためにも、今後もドーモさんと緊密にコミュニケーションをとっていきたいです。
目標はギフト分野ナンバーワンのECサイト
康:最後に、EC事業の抱負をお聞かせください。
大川様:ギフト分野のナンバーワンになることが目標です。
「RING BELL」の強みである返礼品のニーズにしっかり応えていくとともに、お祝い事や日々のカジュアルな贈り物にもご利用いただけるように、使いやすいECサイトを作っていきたいです。
新サービスの開発にも注力しており、贈る相手の住所を入れる必要がない「ソーシャルギフト」など新しいギフトの形も提案しています。今後も、ギフトを贈る方ともらう方の双方にとって魅力的なサービスを開発していく計画です。
弊社はカタログギフトの事業で培ったノウハウを活かし、クレジットカード会社のポイント交換サイトや、ふるさと納税サイトなど、外部サイトの立ち上げから運営までワンストップで請け負う運営受託事業も手がけています。受託事業はEC部門が担っており、受託サイトの一部にもクラウドフレアを導入しています。受託事業は会社としても成長分野の1つですので、こちらも伸ばしていきたいです。
康:これからも貴社のビジネス成長を、しっかりサポートさせていただきます。本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!

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